咲かない花
「今夜は奢りたいから、俺奢ります」と言い張る二宮くんの顔を立てて、会計時には払ってもらったけど、車の中で晩ごはん代を払おうとしたら、却下されてしまった。
「でもね、親睦会もあったばかりだし。二宮くんだってひとり暮らししてるんでしょう?」
「そうだけど。今夜はダメ」
「なんで」
「俺たちの初デートだから」とまで言われてしまったら・・・引き下がるしかない。
私は、照れながらお財布をバッグに戻すと、二宮くんに「ありがとう」と言った。
「茉莉さん」
「はい?」
「明日、何か予定ある?」
「ううん」
「じゃあ今夜は俺んちでいい?」
「えっ!」
「明日、試合あるから」
「クラブの?」
「部活。県予選なんだ」
私は、平静を装いながら、でも実のところ、胸をドキンドキン高鳴らせて、「いいよ」と答えた。
「でもね、親睦会もあったばかりだし。二宮くんだってひとり暮らししてるんでしょう?」
「そうだけど。今夜はダメ」
「なんで」
「俺たちの初デートだから」とまで言われてしまったら・・・引き下がるしかない。
私は、照れながらお財布をバッグに戻すと、二宮くんに「ありがとう」と言った。
「茉莉さん」
「はい?」
「明日、何か予定ある?」
「ううん」
「じゃあ今夜は俺んちでいい?」
「えっ!」
「明日、試合あるから」
「クラブの?」
「部活。県予選なんだ」
私は、平静を装いながら、でも実のところ、胸をドキンドキン高鳴らせて、「いいよ」と答えた。