咲かない花
そうだよね。
男子バレー部顧問の於保先生と、男子バレー部のコーチをしている二宮くんって、年は結構離れてるけど仲いいし。

「カワイイ後輩だからじゃない?」
「そういうことにしときます。じゃあ、なんで携帯投げたんすか。カレと喧嘩でもした?」
「うん、まぁケンカっていうか・・・・・・別れようって言われて」
「・・・え。あ、すいません。俺・・・」
「いいの!ホントに。私こそごめん」
「なんで菱ヶ谷さんが謝るんですか」
「だって。二宮くんも先々週別れたばかりだから。何かいろいろと思い出させちゃったかなと思って・・・」
「俺のことは全然いいから、気にしないでください。で、別れたんですか」
「うん。あっちに彼女できたって」
「あー・・・・・・。そっか」
「遠距離ってやっぱり続かないのかな。二宮くんだったらどうする?」
「遠恋?」
「うん」
「俺、遠恋したことないから、仮定推測でしか言えないけど。基本的に俺は、会いたいときに会える距離にいてくれればいいやって思ってるから、ぶっちゃけ菱ヶ谷さんとその元カレは、俺にとっては遠恋とは言えないです」
「は?」
「だって、片道新幹線で2時間の距離でしょ?」
「うん」
「そんくらいの距離だったら、仕事休みの日は、前の日から会いに行くってのは当たり前かなー。まぁ、毎日通いつめるのは難しいけど」

< 19 / 135 >

この作品をシェア

pagetop