咲かない花
「・・・やっぱりさー、カップルに相性はつきものじゃない?だから今日はね、相性診断してみたよ。頼親と私、今日の相性75パーセントだった!」
「あ、そ」
「何、その冷めた言い方はー。嬉しくないの?」
「別に。“今日の”相性ってことは、毎日変わるんだろ?」
「うん」
「そんな胡散臭いもん、信じるかっての」
「ていうかさ、頼親って、機械が出すもの信じないよね。でもまあ、今日の茉莉先生と二宮先生の相性は5パーセントだったし・・・」
「は?俺と菱ヶ谷、先生?」
「あぁすみません!勝手に二宮先生を使わせて」
「じゃあ菱ヶ谷さんが頼んだんですか」
「ううん!そうじゃなくて、気づいたらもう・・・」
「だから、他の先生とも試してみたけど、於保先生の方がまだパーセンテージ高かった。それでも34パーセントだったっけ」
「低ー」
「ね?だから75パーセントって高いほうなんだよー?」
「そりゃそーだけどよー」と言い合ってる俊子ちゃんと夏目くんの間に入るように、二宮くんが「山口」と呼んだ。

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