咲かない花
「あんなに仲良かったのに・・・」
「うん・・・。私、そろそろ入試の追い込み勉強始めなきゃいけない時期だし。それで会う時間はますます減るでしょ？卒業して大学行けば、もっと会える時間は減るし、今度は頼親（よりちか）が３年になるから・・・あっちから別れようって」
「あぁそう」
「“大学行けば新しい出会いがあるだろ”って頼親に言われたけどさ、それ言うならあっちだって同じことじゃないですか」
「まぁ、そうだね」
「実は夏休みあたりから、あっちはそれとなくほのめかしてたんだけど」
「え！別れようって？」
「うん。でも、嫌いになったとかならまだ分かるけど、そんな理由で別れるとか、私にはどうしても納得いかなくて」
「そうだよね」
「結局、１年の年の差には勝てなかったってことか」と呟いた俊子ちゃんは、美人な顔に、とても寂しそうな表情を浮かべていた。

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