咲かない花
二宮くんと顔を合わせたくなくて、元来た方へ戻ろうとしたとき。
彼と目が合ってしまった。
爽やかな笑顔を私に向けながら、「菱ヶ谷先生!」と呼ぶ二宮くんを無視して、スタスタ歩いていたら、また「ひしがやせんせー!」と呼ぶ彼の声が聞こえた。
え?なんか、さっきより声が近い?と思ってふり向くと・・・。
二宮くんが私の方へダッシュしていた。
・・・もう逃げられない。
「茉莉さんっ!」
「あの。手離してくれない?」
「逃げそうだから嫌です」
「なんで私が逃げなきゃいけないのよ」と言った私の視線の先は、俊子ちゃんがあげた赤い紙袋に行ってて。
すかさずそれを見た二宮くんは、うろたえて、私から手を離した。
彼と目が合ってしまった。
爽やかな笑顔を私に向けながら、「菱ヶ谷先生!」と呼ぶ二宮くんを無視して、スタスタ歩いていたら、また「ひしがやせんせー!」と呼ぶ彼の声が聞こえた。
え?なんか、さっきより声が近い?と思ってふり向くと・・・。
二宮くんが私の方へダッシュしていた。
・・・もう逃げられない。
「茉莉さんっ!」
「あの。手離してくれない?」
「逃げそうだから嫌です」
「なんで私が逃げなきゃいけないのよ」と言った私の視線の先は、俊子ちゃんがあげた赤い紙袋に行ってて。
すかさずそれを見た二宮くんは、うろたえて、私から手を離した。