咲かない花
「茉莉さん」
「そんなに“茉莉さん茉莉さん”って名前呼ばないで」
「すいません!でも俺、マジで嬉しいし」
「なんかもう・・・今の二宮くんって、何言っても怒んないって感じだね」
「かもしんねー。あぁ茉莉さん?」
「だから・・・」
「茉莉さんのムッとした顔も、俺好きです」
「ちょ・・・」

そんな不意うちセリフ、アリなの!?
それに、そんなこと言われてドキドキしてしまった私も、どうかしてる!

「茉莉さんが妬いたってことは、まだ望みあるんですよね」
「はあ?何の」
「望み薄くても、俺、諦めてないから」
「あのっ・・・」
「じゃ、後で!」と二宮くんは言うと、そーっと私から手を離して、爽やかにその場から駆けて行った。

なんで私、8つも年下の二宮くんに、ドキドキさせられてるんだろう。
34にもなって、胸がときめくとか・・・。

ありえない!!

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