咲かない花
「・・・あれ?あの、二宮くん、どこ行くの?」
「花屋。近くのはここしか知らなくて」

そこは、私たち二人が入るといっぱいになるくらいの、小さな花屋さんだった。
私たちの他にお客さんはいなかったこともあってか、見た目、私と同い年くらいの女性が、元気よく「いらっしゃいませ!」と言って出迎えてくれた。

「茉莉さん、どんな花が好きですか?」
「えっ?えっと・・・」

ど、どうしよう・・・。
お花は好きだけど、そんな急に言われても・・・!

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