咲かない花
「昨日、茉莉さんが試合観に来てくれなくて、よかったかもしれない」
「・・・は?来てほしくないなら、最初から誘わなきゃいいじゃないの!」

人が悶々と悩んだ週末明けに、そんなこと言われるなんて・・・。
そりゃあ私が望んだことだけど、やっぱり・・・悲しい。

「違う!来てほしくないって意味じゃなくて!茉莉さんに間近で見られたら、俺、緊張し過ぎて集中できなかったかもしれないから」
「で、でも金曜は、あんなに絶好調だったじゃないの」
「あれは本試合じゃなかったから。それに、バレー部員の方を意識して見てもらってるって分かってたし」
「あ、そう・・・」
「俺、実は小心者なんです。プレッシャーにも弱いし」
「そうは見えないけどね。ま、私が二宮くんの試合観に行くことはないから。安心して」
「嫌です。俺、何度でも誘います」
「・・・ちょっと二宮くん。言ってること、矛盾してない?」
「いいんです」
「そんな・・・子どもみたいなこと言わないの。もういい加減私のこと・・・諦めてよ」
「なんで俺じゃダメなんですか。俺が納得できる説明してください」
「私・・・私は、年下の男とつき合う気ないから!どう?これで納得した?だから諦めて!」と私は言ったのに。

ニッコリ笑った二宮くんを見た私は、面くらってしまった。

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