咲かない花
「茉莉さんが俺を拒否る理由はそれだけ?」
「え。あ・・・ちが・・・いや、だから。あなたが嫌いだから!」

私は最後、自棄気味に叫ぶと、クルッと後ろを向いて、校舎に向かってズンズン歩き始めた。
そんな私の背中に向かって、「うそつきー」と言う二宮くんの低い声が聞こえて、一瞬肩がビクンと跳ねてしまって・・・。

あぁもう!
二宮くんに言われたことも、見られたことも・・・何より自分に一番イライラする!

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