咲かない花
「茉莉さんが俺とつき合うことにためらってるのは、年の差気にしてるからって理由だけでしょ?」
「それは・・・・。あのさ、私たち、半年7つ、半年8つも年離れてるんだよ。だから二宮くんが40のとき、私は47か48なんだよ?・・・な、なんでそこでニッコリするわけ!?」
「茉莉さんがそんな先のことまで考えてくれてるんだと思ったら嬉しくて。つい顔がニヤけてしまいました」

もう。この人って・・・。

私は思いきりため息をつくと、「どこまで楽観主義なのよ!これはただの例えだって、二宮くんも分かってるでしょう?」と言った。

「分かってますよ。でも、そうでもしないと俺、くじけるから。俺、意外と小心者なんで」というセリフに、私はフンと鼻を鳴らして抗議すると、二宮くんはまたニマニマ笑った。

なんか私、この人にいいようにふり回されてる気がする。
それにこのやりとりと、この余裕。
どっちが年上なんだか・・・。
と一瞬思ってしまった私は、その思いをすぐ頭から追い出しながら、改札口を通り抜けた。

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