[短編]ラブゲーム
「俺が、あの凌だ。お前ら何してた」
凌が今まで見たこともないような、強い瞳をしている。
男たちを睨みつけているけど、なぜか迫力があって、黒いオーラが出ている。
というか、さっきからあの凌って言ってるけど何だろう?
「あの、凌さん。すいませんした!」
「凌さんの女だとは知らずにっ!」
「「「すいません!」」」
5人の男は次々に謝ったが、1人だけ何のことやら分からずに、頭だけ下げていた。
凌は、それを見て特に何も言わず、私の手を掴んでスタスタと家の方向に歩き出した。
「え、ちょ、凌!?」
私は、慌てて凌を止めようとしたが、凌はそのまま歩き続けた。
「早いって!!もうちょっとゆっくり歩いて」
せめてもう少しゆっくり歩いてほしくて、お願いするとスピードを少し緩めてくれた。
10分ほどすると、私の家に着いた。
凌は、相変わらず無言のまま家をあけると、私を先に家に入らせた。
凌も家に入った瞬間、やっと凌は口を開いた。
「リビングのソファに座っとけ」
「え・・・」