[短編]ラブゲーム
「おい、お前ら、遅刻するぞ~。あと1分!」
学校が見えてくると、校門に立っている生活指導の声が聞こえてきた。
まだ一度も遅刻したことがない私は少し焦った。
「やばいよ、凌。走る?」
「いや、ちょっと遅刻したくらいじゃ何も言われねぇよ」
焦ることもなく、歩調も変えず、そのまま歩き続けた。
校門まであと少し、というとき、後ろから明るい声で話しかけられた。
正確には、話しかけられたのは凌だが。
「凌~!隣の子は?彼女?2年の小悪魔ちゃんだよね~?」
「晶斗(アキト)・・・。お前、朝からテンションたけぇな。うぜぇ」
「え~、ウザいとかひどくね!?」
男の子、晶斗君やらは凌にフレンドリーだが、凌は嫌そうな顔をしている。
でも、本気で嫌がってはいないと思う。
凌の友達を見たのは初めてで、面白かった。
話しているうちに、学校に到着して凌とは別々になった。
さてと。
私も、頑張らなきゃねと気合を入れて教室に入った。
「おはよ♪」
教室に入っていきなり、タイキに挨拶された。
「おはよー」
今までは、笑顔を作って頑張っていたけど、今日は普通に挨拶した。
タイキは、一瞬不思議に思ったようだったが、続けて話しかけてきた。