[短編]ラブゲーム
第一印象は、“静か”“すぐおとせそう”。
そのときの私は、というか今もだけれど、男遊びが激しかった。
そこそこ自分の顔が可愛いのは自覚していたため、あまりモテないタイプの男をからかっては遊んでいた。
遊ぶと言っても、体関係は一度もないし、キスもまだだ。
ただ、告られて終わるだけ。
“好きです”と言われるたびに、自分が愛されている、必要とされている、1人じゃない、と感じることができた。
これにすぐハマってしまった。
両親は、病院を経営している仕事人。
家にほったらかされることが多く、何気に寂しかった。
しかし、私は強がってしまう性格らしく、家の外では激しく遊んでまわっていた。
中学二年のころには、化粧を始め、もとから結構可愛かった顔に、いっそう磨きがかかった。
まわりの男子は、ちやほやはしないが、何かあるたびに何でも助けてくれ、頻繁に告白してきた。
これが始まりだった。