[短編]ラブゲーム
他の男だったら、自分の顔を使ってすぐにでも落としていただろう。
でも、今回は違った。
私は、最近、適当に男を落とすのに飽きてきていた。
どうせなら、本命に心から愛されたい、と思い始めていた。
これも、凌が現れ、家に1人じゃなくなってからだ。
人の温かみを感じるようになって、私は少し人間らしくなったかもしれない。
「じゃあ、凌、帰ろ?」
最後にニッコリ笑うのは忘れない。
凌は黙って従った。
いつも通り、私のスクールバックを持ってくれ、歩いて家に帰る。
私がいつまでたっても告白しないのは、凌から言ってほしかったから。
初めての彼氏なのだから、結構ロマンチックなのを期待していた。
いつになるかわからないが、絶対に自分からは告白しない。
早く告白してくれと思いいながら、凌の腕に自分の腕をからませた。
「~~♪」