[短編]ラブゲーム
この2人は、まだ私に告っていないから、そろそろ告られるかなーと予想している。
それまでは、この笑顔を崩さず落とさなきゃ。
「本当に、いつもありがとう、2人とも」
とびっきりの作り笑顔で、2人にお礼を言った。
作り笑いか、なんてこの2人には絶対ばれないだろう。
ボーリング場を出て、皆バラバラに自分の家に帰った。
バスや、徒歩、自転車、などだ。
私はもちろん、凌が来るから、近くのコンビニで待っておくつもりだ。
「彩、送ろうか?」
支払いをしたタイキが、そう申し出てくれた。
でも、ついてきてもらっては困る。
「ありがとう。でも、今日はタクシーで帰るから大丈夫だよ」
真っ赤なウソ。
でも、タイキは疑いもせず、安心したように自転車に乗って帰って行った。
私は、歩いて2分ほどのコンビニに向かった。
コンビニに着くと、入り口にガラの悪いヤンキーがたむろしていた。