[短編]ラブゲーム
ここらへんの地域には、ヤンキーが多いのでこういうのには結構慣れている。
ヤンキーに会ったときは、無視が一番だ。
11月に入ったばかりの夜は、かなり寒い。
風邪をひいてはいけない、と思いコンビニの中に入った。
雑誌のコーナーの前に立ち、ケータイを取り出した。
電話帳から凌を呼び出し、迎えに来るようにメールした。
うちからここまでは、10分くらしだから雑誌を眺めているうちに来てくれるだろうと思い、雑誌を開いたとき、誰かに肩をたたかれた。
「キミ、可愛いーね?噂の小悪魔、彩ちゃんだよね?」
「いいえ、違います」
話しかけてきたのは、コンビニの前にいたヤンキーの1人だった。ゴツイ服を着て、明るい茶髪に染めた男。
まさか他の学校にまで広がってるとは思わなかったな。
多分、この人ヤバいと直感で感じた。
距離を取ろうとする私の肩を抱き、男は私をコンビニの外に連れてきた。
そして自分の仲間に、噂の小悪魔ちゃんだよと説明していた。
そのグループは、女はおらず、男のみ6人いる。
その中の金髪の男が私の顔を嘗め回すように見た。