[短編]ラブゲーム
じわじわと目に涙が溜まってきているのが分かる。
こんなことになるなら、男遊びなんてしなきゃよかった。
無駄に愛想ふりまかなきゃよかった。
今さらだと分かっているが、後悔することは山ほどある。
このままコイツらに遊ばれたら、凌のもとには2度と戻れない。
こんな最悪な女、絶対付き合ってくれないよ。
「た、すけてっ・・・!」
怖さのあまり声がかすれたが、必死に助けを求めた。
誰でもいいから、助けてっ!
もう、男遊びなんかしないから!
ずっと地味な格好して、男とは話さないから!
そのとき、奇跡がおきた。
「おい、離せ」
後ろから低くて、冷たい声がした。
いつも聞いている、大好きなあの人の声――
「凌っ!」
「凌さん!?ってあの!?」
私は男たちが手を離した隙に、凌の後ろに隠れた。
男たちは、凌の名前を聞いて、驚いている。