ココロはいつもキミのそばに。
「じゃあ、今日の試合は!?」


「ダメよ。悪化しちゃうじゃない。」


………っ!


そんな………。


ミズキは、相当悔しそうにしている。


「ありがとうございました。」


テーピングをしてもらい、お礼を言って医務室を出た。


戻っている途中、ミズキは終始無言で顔を歪めていたけど、ベンチに着くともっと悔しい現実が待っていた。


電光掲示板の点数表示は0-2。


うちのチームは大差をつけられていた。


「渡辺が居なくなったとたん、流れを一気に東浦にもっていかれた。」


コーチのその言葉で、ミズキは更に顔を歪ませた。


結局その後もボロボロで、もう1点追加されて0-3の惨敗。


インターハイはベスト8に終わった。


地元に戻るバスの中は、悔しいムードで満たされていて、男泣きしている選手が多かった。


この大会で3年生は引退。


冬の選手権まで残る先輩もいるけど。


とりあえず、顧問とキャプテンからコメントする事になり、耳を傾けた。

< 112 / 115 >

この作品をシェア

pagetop