ココロはいつもキミのそばに。
そして迎えた放課後。


エリに部活に遅れる事を説明して、サキと職員室に向かった。


先生にお説教をくらい、サキと愚痴をこぼしながら部室塔のある東側へと歩みを進めた。


するとその時、後ろから数人の女の先輩達と思われるグループが、派手な笑い声と話し声を響かせながら歩いて来るのに気がついた。


あまり関わりたくないのが正直なところで。


サキに「早く行こう。」と小声で伝え、歩くスピードを速めようとした。


しかしそれより一瞬早く、


「あっれー?

もしかして、山城彩夏さんじゃないのー?」


という、やけに高い声が響いた。


しまった。


そう意識した時にはもう時すでに遅し。


5人の先輩にサキごと囲まれていた。


「もしかして、隣にいるの、山口美咲さんー?」


なんで私達の名前を知っているのか。


そんな疑問は緊張で浮かばなかった。


「ちょうどよかった。

ちょっと2人に話があったんだよね。

来て。」


リーダーのような1人がそう言うと、周りの4人が私とサキを強引に引っ張った。


”来て”

そう言い放った時の目は、恐ろしいほどに冷たかった。
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