ココロはいつもキミのそばに。
連れて来られたのは人気の無い体育館裏。


定番スポットに連れて来られた事で、嫌な予感は確信に変わった。


無理やりつかまれた手首がジンジン痛む。


周りを見るとかすかに第二グラウンドが見え、サッカー部員の姿があった。


ここから叫んだら、気づいてもらえるかもしれない。


一瞬そう思ったけど、もし気づかれなかったら。


先輩達に何をされるか分からない。


気づいてもらえたとしても……その後の復讐が怖くて声は出せなかった。


とにかくここは穏便にすませてもらえるようにするしかない。


その結論が出た時、つかまれていた手首が解放され、かわりに低い声が降ってきた。


「あんた達、瑞希様と優様とどういう関係?

馴れ馴れしいのよ!!」


怒鳴られたけど、ここは冷静に答えないと。


震える足を必死に落ち着かせて、


「ミズキとマサルは大切な幼なじみです。」


と答えると、突如頬に鋭い痛みが走った。


「呼び捨て!?

調子にのんなよ!!」


あぁ、ビンタされたんだ。


隣で震えていたサキが、涙をためた目を大きく見開いていた。
< 41 / 115 >

この作品をシェア

pagetop