透明ガール
文化祭⑤
「あ、2人ともお帰りー」
教室に着くと、入り口の前に立っていた冬華に笑顔で出迎えられた。
「すごい列だな!」
1Bのカフェ入り口にはもの凄い行列ができていた。
ザッと見ただけでも15人以上は確実に並んでいるだろう。
客層は様々で、小学生くらいの小さい子までいる。
「ふふふ、午後は客寄せが2人も増えたから売り上げも伸びるわねぇ。」
冬華が不気味な笑みを浮かべる。
客寄せって…
私はどうせ戦力にならないんだから、数に入れないでほしい。
この後、冬華にいいように使われるのだと思うと身震いする。
「さっ、早く。2人とも中入って!」
はい…。
榎本も同じように力無い返事をした。
こ、こりゃぁ、大変になるぞ…⁉︎