透明ガール

えーと、




知ってた…けど。



目が合うと逸らされるし、返事が素っ気ないのだから気がつかない筈がない。



何も心あたりがないから、どうしようかと悩んでいたのだ。



そんな時に丁度実行委員という同じ仕事になり、話す機会が出来た。



「俺も同じようなもんだよ。桂木って静かなイメージだったけど、話してみたら面白いし、明るいし」



そうだ。



いっつも本を読んでいるか、友達と話をしているかだったから。



一度に沢山の荷物を運ぼうとしてばら撒けたり、




スカートの下にレギンスとやらを穿いているからと言って、脚立にのぼって作業をしたり、




授業中にたまに見てみれば隠す気もなく居眠りをしていたり、



なんていうか…



もう、全然イメージと違っていた。

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