透明ガール


………



そう答えたが、桂木からの反応がない。



「桂木?」



名前を呼ぶが反応はない。



まさか熱がひどくなったのか…?



心配になってもう一度名前を呼ぶ。



「桂木?大丈夫?」



「あっ、うん、大丈夫。ぼーっとしちゃっただけ」




息を深く吸って桂木が言った。



あははと笑っているが大丈夫には聞こえない。



「辛かったら喋らなくていいよ?」



「ううん。ねぇ…榎本、妹さんいたんだ、ね…仲良いの?」



妹?



話を逸らされた気もするが、



「うん、仲良いよ。喧嘩も多いけどね」









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