透明ガール
「この人…。」
「え、なに?榎本こーゆう人がタイプなのぉー?」
「超美人だよねーっ!」
そんな周りの声も、榎本の耳には届いていなかった。
それほど、女子達が机に広げていた雑誌から目が離せない。
いや、正確にはそうではない。
雑誌の中でポーズをとり、笑顔を魅せている1人の女性を見ているのだ。
「なんて名前…?この女の人」
「え?美奈だよ。実名かはわからないけどねー」
みな。
もしかしたら、そうかもしれない。
桂木に…聞きたいことが出来た。