コバルトブルーの海の家
~4~ 2人の秘密
「ちょっと、話してくるわ!里香、先帰ってて!」
私は、宿の玄関から飛び出して、また海岸へ向かった。
もう彼女と電話をしているかも知れない。
声をかけることなんてできないかも知れない。
ビーチサンダルに砂がいっぱい入ってきて、走りにくかった。
海岸脇にあるコンビニの明るい看板のおかげで、翔太さんを見つけることができた。
海の水が、すぐ近くまで来る場所に…座っていた。
お尻が濡れちゃうんじゃないかって心配になる。
静かな海をじっと見つめる翔太さん。
寂しそうな横顔を見ていると、声をかけてはいけないような気がした。