コバルトブルーの海の家
「瑠奈~!お前、何やっとんねん!買い出し忘れてるやろ!」
砂浜に好きな人の名前を書いていると、後ろから怖い声が聞こえた。
私はビーチサンダルで砂の上に書いた文字を消して振り返る。
ランチタイムを終えた海の家は、平穏を取り戻していた。
私に向かって手を上げた人。
ひざまでのGパンを履いて、上半身は裸。
「すいません。今から行きます。」
私は、眩しそうに目を細める彼から目をそらしながら、立ち上がる。
「ええよ。俺がもう行って来たから!今日はそんなに忙しくなかったしな。」
彼は、頭に乗せたサングラスをかける。
やっと顔を見ることができる。
サングラスをかけていない時は、
恥ずかしくて、真っ直ぐに見つめることができないよ。