コバルトブルーの海の家
「すいません。俺の女なんすけど・・・何かしましたか?」
翔太さん?
翔太さんは、さっきまで頭に乗せていたサングラスをかけて、かなり怖い顔をして、そのしつこい男達に話しかけた。
筋肉質な体に、真っ黒な肌、いかついサングラスに、低い声。
その男達は、カキ氷を持ったまま、海の方へ去って行った。
「ありがとうございます!!翔太さん、すごい!!あの人達、翔太さんのこと、怖がってましたね!」
私はお盆を持ったまま、翔太さんに駆け寄った。
嘘でも嬉しかった。
俺の女って言ってくれた。
「こういう時のグラサンやからな!大丈夫か?お前がめっちゃ泣きそうな顔しとったから、ついつい俺も熱くなってしまったやん!」
翔太さんは、私の顔を覗きこんで、頭を撫でてくれた。
優しいよ、翔太さん。
一生あなたを好きでいたい。
この夏が永遠に続けばいいのにと思った。