コバルトブルーの海の家
今まで通りの関係でいたいかな、翔太さんは…
「ほんまにお前のおかげやねん。瑠奈があの時、俺にああ言ってくれたから、俺・・・すっげー楽になってん。お前がおらんかったら、まだ引きずったまま、前に進めんかった。」
翔太さんは、この前話していた場所まで来ると、そこに腰を下ろした。
私が立ったまま、海を見つめていると、翔太さんが手を伸ばした。
「ほら!」
翔太さんの手にそっと手を乗せた。
「ここ、座れって!」
引っ張られた私は、翔太さんの隣にしゃがんだ。
勢い良く引っ張られたせいで、すごく近かった。
ひざとひざが当たっていた。
「はぁ・・・勇気いるな。これ・・・今から投げるんやな。」
翔太さんは、左手の指輪を右手でくるくると回しながら、まだ指から抜けずにいた。
「無理したらあかんよ、翔太さん。まだ持っていたいなら、持ってたらいいやん!!そうじゃないと、後悔すると思う。」
私は、翔太さんの膝に手を乗せた。