コバルトブルーの海の家



ブンブブブーーーン




暴走族らしきバイクの音が近付いてきて、私は、一呼吸置いた。





「私、好きな人がいるんです。線香花火が最後まで残ったら、その人に気持ちを伝えようって思ったんです。でも・・・」



いきなり好きだと言えなかった。



「まじで?お前、片思いなん?絶対告れって!!瑠奈やったら、絶対大丈夫やって!」


翔太さんのその反応に、悲しくなった。


いいんだね。



私が誰と付き合っても、誰を好きでも・・・



やっぱり友達以上にはなれないんだね。




「好きです…」





小さな声で言った。


暴走族は、もう遠くまで行ってしまったようで、音が小さかった。



「お前、練習してんの?俺相手に?」




翔太さんは憎めない人だ。

でも、鈍感すぎるよ。




泣けてくるよ…



波の音が綺麗過ぎて、

夜空の星が美しすぎて…




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