コバルトブルーの海の家
「翔太さんが好きやねんけど・・・」
長い沈黙の間、私は目を閉じていた。
「瑠奈・・・マジで?お前の好きなヤツって、俺やったん?」
「うん・・・返事はいらんから、忘れてください。」
一瞬目を開けると、翔太さんは、照れ臭そうに自分の髪を触っていた。
「忘れられるわけないやろ・・・あほかぁお前。」
肩に手が回されて、ぎゅっと抱き寄せられた。
目を閉じていた私は何が起こったのかわからず、まだ目を開けられないでいた。
「俺、指輪捨てる決心ついた。お前が投げてくれへん?」
翔太さんは、指輪を外し、私の膝の上に乗せた。
「ほんまにええん?無理してない?やっぱ、投げるなら翔太さんが投げた方がいいって!!」
私はその指輪を翔太さんのひざに置いた。