コバルトブルーの海の家
~2~ 一生懸命になること
偶然にも、翔太さんは私と同じ関西出身だった。
バイト仲間の中で関西方面から来ているのは、2人だけだった。
なかなかみんなと馴染めなかった私を、みんなの輪の中に入れてくれたのも翔太さんだった。
毎晩、みんなで海岸で花火をしたり、宴会をした。
夢のような毎日だった。
テレビなんて見る暇もない。
テレビを見るくらいなら、この綺麗な海を見ていたい。
この素敵な仲間達と走り回っていたい。
民宿が経営する食堂で昼間は忙しく働いた。
時々、民宿の手伝いもしたが、
部屋の掃除やふとんの用意をしていると、暑さで倒れそうだった。
翔太さんは、民宿のオーナーに気に入られていた。
時々夜に連れ出される翔太さんを、寂しい気持ちで見ていた。
「未成年はもう寝なさい!」
翔太さんは、そう言って、オーナーと2人で居酒屋に出かけた。