カミレンジャー! その3
第四章
「いや…わざわざ、お越しくださって、ありがとうございます。レッドとピンクと呼べばよろしいですか?」

 暗い部屋だった。

 光源は弱い裸電球ひとつだけ。

 家具すら見えない。暗い部屋。

 そこに男が一人座っていた。

「まるで、悪役の居座る部屋ね?」

 男の顔は見えない。

 だけど、ピンクもレッドもこいつが何者なのか、よく知っている。

 ……今回の市長選挙の大本命…『白井誠』その人だった。

「言わないでください。なにせ、太陽の光は苦手で…。」

「それで、市長選挙に本気で勝つ気?」

 ピンクの威圧的な態度。

 レッドは黙って、そこにたっている。

 だけど、彼ら二人から放たれているのは、間違いなく殺気・・・。

 おかしなこと一つしようものなら、すぐに飛びかかれる体制だった。

「当然でしょ?こんな小さな市。何もしなくても、私は勝ちますよ。選挙運動をするだけ、馬鹿げている。」

「余裕ね…。それで、また市の税金を女につぎ込むわけね…。」

「言葉を謹んでもらえますか?…あなたたちの給料を誰が払っているのかを、お忘れなく。」

「くっ…。」

 その言葉を聴いた瞬間、ピンクの顔がゆがんだのがわかった。

「それで、俺たちをここに呼んだ理由はなんだ?」

 ここに来て、初めてレッドが口を開く。

 いつもとは違う、精悍な顔立ち。

 こいつ…まじめにやれば、いい男ジャン…といえるような顔だった。

「なに?簡単なことです。今回の市長選同様。邪魔者の排除をお願いしようと思いまして…。」

 そして、そこで彼らが聞いた言葉とは…………





 つづく…のかな?
< 12 / 15 >

この作品をシェア

pagetop