カミレンジャー! その3
第二章
「ところで、今回の選挙って誰が出てるの?」

 相変わらずのカミレンスーパーカー。

 前回点検に出したと言っていたから、何か変わっているところはないかと思っていたら…車検のシールの色が変わっていた。

 …………………深く考えるのは、やめよう……

 たとえ、シールのところに、「クラフト○ロ」という、格安車検をやってくれるところで、有名な某チェーン店の名前のハンコが押してあったとしても……。

「えっと…今回は、今までの市長が退職なされて、その息子さんが出馬しています。」

 後部座席で、実くんが資料を見ながら口にする。

 どこから、その資料が沸いて出てきたか、疑問に思ってはいけない。

 物語と言うのは、無駄を省いてサクサク進むことに意味があるのだ。

「あぁ、よくありがちな世襲制か…。」

 これが、黙認されたまま、当たり前だと思ってるあたり、ここは田舎だよな…。

「名前は?」

 今回助手席に座っているのは恵。

 別に、それぞれの座るところに、決まりがあるわけじゃないので、いいのだが…。

 やっぱり……昔の彼女を助手席に乗せると言うのは…。

 仕事だと思って、割り切ろう。
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