蒼穹‐sora‐
「やっぱ、苦手でしょ?」
「うう…」
僕はへたを捨てながら、さっきまでいちごが入っていたお皿を洗う花純に問うた。
もう洗い終わったのか、手を拭きながら花純が俯く。
「無理して食べなくても…」
「無理してないもん!!」
僕の方を向いた花純が、声を荒げた。
「純斗くんがおいしそうに食べるから、私も食べたいなって思って。……少しでも純斗くんの気持ちを共有したいなって…思ったから」
どんどん尻すぼみになって行く花純の声が。
徐々に赤くなっていく花純の顔が。
……なんなんだ、このカワイイ生き物は…!!
どうしよう。僕もつられて赤くなってる気がするぞ…!
花純があまりにも可愛すぎて、顔に熱が集まってしまった事を彼女に知られたくなくて、そっぽを向くと。
「ダメ……だった…?」
彼女が僕を覗きこむ様にして、僕と目線を合わせた。
あああああああ!!もうっ!!
勢い余って僕は花純を抱き締めた。