蒼穹‐sora‐
「ふっ、ふいまふぇん…」
「おい、純斗。遅れるなっつったろ。というか、口元に米粒付けたまんまで会議に参加する気か。とりあえず、口ん中にあるモン食っちまえ」
メールの送り主である上司が、腕を組んでぶっきらぼうに言った。
口元に米粒付いてたんだ……。かなり恥ずかしい…。この歳になっても、やる事は小学生みたいだ。
僕は上司に言われた通り、口の中にあったおにぎりを飲み込むと、コンビニのビニール袋からペットボトルのお茶を一口飲んだ。
「すいません」
「ん。ま、会議開始まで残り三十分あるから大丈夫だろ」
「は…?!」
「俺の中では、お前は遅刻した事になるけどな」
…相変わらず、マイペースと言うか、自己中心的と言うか…、な人だな。
まぁ、もう慣れちゃったんだけど。
「取りあえず、そこ座っとけ」
上司が指差した席に、一応一礼してから、座る。
続々と社員が会議室に入って来る。
三十分前なのに、こんなに人が入って来るのか…。
僕は上司をチラリと目の端で見る。
上司は、相変わらず、何考えてるのか分からない表情で空中を眺めていた。