蒼穹‐sora‐
「ちょっ……やめっ……」




徐々に花純の手に力が込められていく。




僕は花純の手を握って抵抗するけれど、なぜか手に力が入らない。





そのうち、息が苦しくなってくらくらしてきた。





「かすっ……かすっ……み」




声にならない声で呼んでみるも、効果なし。








なんで誰も助けてくれないんだ!!





みんな僕の横を何食わない顔で通り過ぎていくだけ。





みんな、みんな、みんな、みんなっ!!!





どうして? なんで?






もしかしてみんなには僕達が見えてないんじゃ……なんて馬鹿げた事を考えてしまう。





そんなわけないじゃないか、息が十分に吸えなくておかしくなってる。





というより、この状況どうしよう……。




死んじゃう……。





――あ。





僕は、とうとう倒れた。
















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