政略結婚が恋愛結婚に変わる時。
「俺は結婚したからと言って、今と違った生活を送る気は無い。」

「…」

「仕事は、どんなに遅くなろうと俺の気が済むまでやる。」

「…はい。」

「それに、一番重要な事は。」

「…」

「俺は君に、愛情を注ぐ気はさらさらない。君を幸せにする気などない。」

女が、眉を寄せた。

「俺は都合の良い女が欲しくなったら、作る。君も良いよ、作って。」

「でも、それじゃ「俺はこの結婚に賛成なんてしてない。」

俺の優先順位の中に、

女が入る事などあってはならない。

「でも反対もしていない。仕事に支障をきたさないなら、あとはどうでも良い。」

何で

「バツイチと言うレッテルは欲しくないから、君がどれだけ言っても離婚はしない。絶対に。」

何も、

「でも俺がしたかったらする。」

話さない。

「食べ物や、服や、化粧品とか君が欲しい物は勝手に買えばいい。金は有り余ってる。いくらでも使えばいい。」

言い返さない。

「その代わり。」

イライラする。

「必要以上に俺に干渉しない事を約束して。」

その言葉に、女は細々とした声で、
「…分かりました。」
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