この恋、永遠に。【番外編】
「社長と奥様、噂には聞いてましたけど、本当に仲がよろしいんですね」
くすりと笑って言う彼女に、私の顔は途端に熱を帯びた。柊二さんもそこで初めて手を繋いだままだったことに気づいたのか、少し慌てた様子で顔を赤くしている。が、彼は手を離さなかった。そして軽くその手を引き寄せると、辺りにいる社員に向かって言った。
「妻の美緒だ。僕と結婚する前は本宮商事に勤めていたから知っている者も多いだろう。今は身重だから彼女が無理をしないよう、みんなにも気にかけてもらえると嬉しい。よろしく」
柊二さんが繋いでいた手を離すと私の肩を抱いた。
「み、美緒です。しゅ、主人がいつもお世話になっております。よろしくお願いします」
私はペコリとお辞儀をすると詰まりながらも一気に言った。スラスラと上手に挨拶できなかったのが子供っぽくて嫌になる。それに見知った顔がある中で、柊二さんのことを『主人』と呼ぶのも、照れくさかった。だけど、つたない私の挨拶に、みんなは笑顔で「よろしくお願いします」と答えてくれた。
私たちは順番に送迎のバスに乗り込むと、まずは宿泊先のホテルへと向かう。これから二泊するホテルはグアムの観光の中心、タモン地区にあるリゾートホテルだ。ビーチに沿ってホテルや、大型ショッピングセンター、レストラン、グアム最大のスーパーマーケットなどがあり、利便性の高いところらしい。実は私は来るのが初めてで、日本を発つ前にガイドブックで予習をしてきたのだ。
足の手術でニューヨークに行った経験があるから海外は初めてではない。だが、あの時はあくまで治療のためであって、旅行ではなかった。
柊二さんと結婚したときも、彼は当時まだニューヨーク支社の社長で、後に日本に戻る準備で忙しく、私も自分の足のリハビリに必死だった。ゆえに新婚旅行といえるようなものはなく、これが彼と来る初めての旅行なのだ。
バスの窓から見えるのは、道路脇の綺麗に刈られた青々とした芝、その上に生えるやしの木。道路の分離帯にも同じようにやしの木があり、いかにも南国のリゾート地といった雰囲気だ。私はその見慣れない景色にワクワクしていた。
くすりと笑って言う彼女に、私の顔は途端に熱を帯びた。柊二さんもそこで初めて手を繋いだままだったことに気づいたのか、少し慌てた様子で顔を赤くしている。が、彼は手を離さなかった。そして軽くその手を引き寄せると、辺りにいる社員に向かって言った。
「妻の美緒だ。僕と結婚する前は本宮商事に勤めていたから知っている者も多いだろう。今は身重だから彼女が無理をしないよう、みんなにも気にかけてもらえると嬉しい。よろしく」
柊二さんが繋いでいた手を離すと私の肩を抱いた。
「み、美緒です。しゅ、主人がいつもお世話になっております。よろしくお願いします」
私はペコリとお辞儀をすると詰まりながらも一気に言った。スラスラと上手に挨拶できなかったのが子供っぽくて嫌になる。それに見知った顔がある中で、柊二さんのことを『主人』と呼ぶのも、照れくさかった。だけど、つたない私の挨拶に、みんなは笑顔で「よろしくお願いします」と答えてくれた。
私たちは順番に送迎のバスに乗り込むと、まずは宿泊先のホテルへと向かう。これから二泊するホテルはグアムの観光の中心、タモン地区にあるリゾートホテルだ。ビーチに沿ってホテルや、大型ショッピングセンター、レストラン、グアム最大のスーパーマーケットなどがあり、利便性の高いところらしい。実は私は来るのが初めてで、日本を発つ前にガイドブックで予習をしてきたのだ。
足の手術でニューヨークに行った経験があるから海外は初めてではない。だが、あの時はあくまで治療のためであって、旅行ではなかった。
柊二さんと結婚したときも、彼は当時まだニューヨーク支社の社長で、後に日本に戻る準備で忙しく、私も自分の足のリハビリに必死だった。ゆえに新婚旅行といえるようなものはなく、これが彼と来る初めての旅行なのだ。
バスの窓から見えるのは、道路脇の綺麗に刈られた青々とした芝、その上に生えるやしの木。道路の分離帯にも同じようにやしの木があり、いかにも南国のリゾート地といった雰囲気だ。私はその見慣れない景色にワクワクしていた。