漆黒の闇に、偽りの華を
「あなた達……まさか、煌龍?」
心底信じられないという顔で彼を見ると、彼は少しばつの悪そうな顔をして頬をポリポリと掻いた。
嘘でしょ!?
こんな男があの有名な暴走族の一味!?
すると、後ろを付いてきていた太一が嬉しそうに私の隣に来て、
「おっ!あんた煌龍知ってんのか!!へぇ~。一目見ただけでアジトって分かるなんてなかなか勘がいいじゃねぇか!」
そう言って、ポケットに手を突っ込んだままガハハとがさつに笑う。
でも、意外に笑うと少年のような顔になって、厳つい感じが薄れるのね。
「か、勘がいいも何も……ここら辺に煌龍のアジトがあるのなんて、大体の人が知ってる事でしょ!」
私は慌ててそう付け加えた。