漆黒の闇に、偽りの華を
「百合と茉弘の護衛は俊太にしてもらいます。ちゃんと大人しくしておいて下さいね。特に百合。
俊太シッカリ頼んだよ。今回煌龍の縄張り内の抗争だから、正直絶対にここまで飛び火してこないとは言えない。何かあったらすぐに連絡よこして下さい。」
「はい!任せてください!」
あ。
この人、初めてここに来た時に会った人だ。
長髪を後ろで一つに結んでるのが印象的だったから、よく覚えてる。
ふと俊太と目が合う。
ニコッと微笑まれたので、一応あたしもぎこちなく微笑んでみる。
「行ってくる。」
「ん。気を付けなよ。」
そのやり取りのする方へ目を向けると……
「!!!!」
はわぁっ!!!
百合さんと太一が、
キ……
キキキ……
キスしてる!!!!
「あぁ。あれいつもの事なんです。送り出す時の恒例行事。」
恭が呆れた顔で言う。
い、い、い、いつもの事って……。
み、みんな見てるのにっっ!!!
し、しかも、なんか……濃厚な感じでいらっしゃる……。