漆黒の闇に、偽りの華を


「バレたものは仕方ありませんね。中、入るの嫌ですか?恐いですよね?暴走族のアジトに女の子一人で。

嫌なら手当てする者を今呼ぶので、ここで……」


彼が言い終わらない内に、私は一歩前へと足を進めた。


「何言ってるの?恐くなんてないわよ。
せっかくここまで連れてきてくれたんでしょ?ちゃんと中で手当てしてもらう。」


彼は一度驚いたように目を見開いて、


「了解。」


と微笑みながら、あたしの肩をポンと叩いて前を歩き出した。



中に入らない?


あたしにそんな選択肢があるわけないじゃない。


願ってもみないこのチャンス。


すぐにあなたを見付けてみせる。
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