漆黒の闇に、偽りの華を


「茉弘っっ!!!」


恭が叫ぶのと同時に、目の前に火花が散る。


あたしは男に顔を殴られ、思い切り地面に叩きつけられる。


痛ったぁ……。


身体中に電気が走ったみたい。


痺れて動く事が出来ない。



「茉弘っ!」



あ。


恭土下座してない。


良かった……。




てか太一、百合さん早く助けなさいよ。


何ぼさっとしてんのよ。


せっかくあたしが体張って男ひっぺがしたのに。


何あたしの事心配した顔してんの。


早くしないと、また百合さんが捕らわれる。



「…………言ったでしょっ!!はぁはぁ!
もし、あたしが足手まといになるような事があったら……その場で即切り捨ててって!!!!!恭っ!!!!」


あたしは、やっとの事で声を振り絞る。


まだ、体が痺れて動かない。


「てめぇ!何つべこべ言ってんだアマッ!!!少しは大人しくしてろっ!!」


リーダーの男がナイフを取り出す。


かなり逆上してる様子。

< 149 / 200 >

この作品をシェア

pagetop