漆黒の闇に、偽りの華を
「百合、大丈夫か?」
太一が百合さんの顔を覗き込みながら、背中を優しく擦る。
百合さんは、さっきと比べて大分顔色が良い。
「ん。もう平気。」
良かった。
百合さんが無事で、本当に良かった。
男達は、恭が見事に叩きのめしてくれた。
というか、恭の華麗な回し蹴り一発でドミノ倒し状態。
リーダーの男と百合さんを捕らえてた男は完全に地面で伸びきっている。
その隙に太一は無事に百合さんを救出。
一件落着……といきたいトコなんだけど……。
「君ら、ホント何でこんな所にいるの?」
春馬が、直と一緒に男達を縛りながら言う。
いや、おっしゃる通りです。
ホント何故ここにいるんでしょう?
散々迷惑かけといて、言い訳すら思い付きません。
「茉弘。」
「は……はい!」
恭と目が合う。
う……恭まだ"総長"の顔だ。