漆黒の闇に、偽りの華を


「はい。」


「ありがと。」


恭に氷の入った冷たい麦茶を渡される。


乾いていた喉に染み渡る。


ふと視線を感じて……


「……何見てんの?」


「んや?さっきの茉弘思い出してた。」


ニヤニヤしている恭。


「お腹出して寝てましたよ。」


「!!!!」


「ヘソ見えてました。ヘソ。」


あたしのヘソの辺りをポチっと押す恭。


「セッセクハラッ!!!!」



何しとんじゃこいつはっ!?



「茉弘って、無防備過ぎるんですよね。何か色々と……。」



「へ?」



「いや、いいんです。」


「?」


恭は、あたしからプイと顔を逸らす。


「あ。そういえば、今日はみんな遅くなりますから。」


「え?そうなの?何かあったの?」


「いや、太一と百合はデートで、直と春馬が補習です。」


「そういえば直と春馬、期末で恐ろしい点数叩き出してたもんね。」


さすがに全教科一桁は初めて見たよ。


思わず自分の目を疑ったね。

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