漆黒の闇に、偽りの華を


『恭!返事しなさいよ!!
あんたあたしを散々貪るだけ貪っといて!何の音沙汰もないってどーいうこと!?
あたしを弄ぶのも大概にしなさい!!!』



女の……人?


今何て言った?


貪る?


むさぼる?


ムサボル……



―――――――――――ピッ。



恭が、青い顔で通話を切る。


あたしの方にゆっくり顔を向けて、引きっつった笑顔をする。


「ま、茉弘?あのね、い、今のはですね……」


「へぇ。貪る……ねぇ。」


「いや、茉弘何か勘違いしてますよ!?あれは……」


「随分とお盛んなようで……。」


「だから、違うんですって!茉弘ちょっとこっち向っ……へ?」


あたしは恭を睨み付ける。



「恭なんか嫌いっっ!!!!」



―――――――――――――パシーン!!!


思い切りビンタを食らわせる。






神様。


前言撤回します。


やっぱりこいつ、嫌いデス。




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