漆黒の闇に、偽りの華を

「ところで本当に電話誰からだったの?恭。あんたが本当に女居るとは思えないんだけど。」


恭は、溜め息を付きながら百合さんにスマホを渡す。


百合さんはそれを受け取ると、操作する。


「あぁ!あはははっ!!なるほど!!」


「なに?」


覗き込もうとすると、



――――――――――ガシャーーーンッ!!



「なんだ!?」


一階からガラスの割れるような凄い音。


それと、怒鳴り合っているような声が聞こえる。


誰かが乗り込んできた?


まさか……。


「茉弘と百合はここに待機していて下さい。俺達が出て行ったら内側から鍵をかけて。」


「わ、分かった!」


恭と太一が出ていこうとすると、開けようとしていたドアが先に開き、俊太が駆け込んでくる。


「総長!太一さん!失礼しますっ!!」


「俊太。これは何事だ?」


「は、はいっ!総長すいません!あのっ……」


俊太は、言い辛そうに口ごもる。


「何なんだじれってぇ!」


太一が俊太を怒鳴ると同時に、俊太の後ろからニュッと太一の頬に手が伸びてくる。


「!!!???」


太一の顔が真っ青になり、声にならない声が響く。


「あら。たいちゃん。お怒りモード?」



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