漆黒の闇に、偽りの華を
だ……れ?
この綺麗な女の人。
背は、百合さんよりも高いよね?
髪の毛も長くて、メイクバッチリで、ライダースジャケットをピチピチに着こなしてる。
み〇ふじ〇みたい……。
太一の知り合い?
太一固まって動かないんだけど。
「なーにみんな固まってんのよ?わざわざあたしから出向いてやったのに随分じゃない?」
あれ?
この声どっかで…………あ!!!
「さっきの電話のっ!!!」
そう叫んで、あたしは我に返る。
やばっ!
つい叫んじゃった……。
女の人はあたしの方を振り向き、キッと睨み付ける。
そして、ツカツカとあたしの所まで歩いて来る。
「な……んですか?」
頭の先から足の先までジロジロと見られてる。
そして、ハンッと鼻で笑ったかと思うとあたしから離れ、恭の前に。