漆黒の闇に、偽りの華を
「さ、さぁー!!ちょっと外の空気でも吸ってくるかなぁー!!!」
あたしは、直ぐにでもその場を離れたくて立ち上がる。
だって、もう我慢の限界だから……。
「待って!!!」
あたしは、思い切り体を引き戻されてよろめく。
恭……?
驚いて恭を見ると、動揺した様子であたしの手首を掴んでいる。
「……何でだよっ……」
「え?」
「何でそこで笑うんだよっ……」
「……恭?」
恭はいつも余裕があって、冷静で……。
こんな恭の顔、始めて見た。
明らかに動揺している。
自分でもどうしたら良いのか、分からないって顔をしている。