漆黒の闇に、偽りの華を
真っ暗って、嫌いじゃない。
確かに先行く道が見えなくて不安だけど、行き止まりとは違う。
見えないだけで、必ず道があるでしょ?
だから大丈夫。
恐くなんかない。
そう心の中で唱えながら、街灯一つない真っ暗な道をひたすら一歩一歩進む。
持っていたスマホで時間を確認すると、只今夜中の1時過ぎ。
人っ子一人見当たらない。
というより、全く周囲が見えない。
手に持っているスマホの明かりだけが、あたしの手元だけを煌々と照らし出す。
本当にこんな所にあの人が居るわけ!?
周りに建物の気配すらないじゃないの!
いやいや、弱音を吐くな茉弘(まひろ)!!
居てくれなくちゃ困るのよ。