漆黒の闇に、偽りの華を
そう思いながら、必死に俯いて真っ赤な顔を隠していると、恭があたしの頭をポンと優しく叩く。
笑われた事が恥ずかしくて仕方なくて、睨み付けると、彼は微笑んでいた。
「面白いですね。茉弘は。」
そう言ってあたしの頭を撫でる。
からかわれてるのかな?
でも、不思議と悪い気はしない。
「負けましたよ。
彼女って訳にも、"煌龍"にって訳にもいかないけど……」
あたしの頭を撫でていた手が、するっと髪の毛を伝って下りてきて離れる。
凄く綺麗な指使いにドキっとする。
「他に茉弘の居場所が見付かるまで、俺達と一緒にいたらいい。」